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#1序章 「圧勝法」の理論なしには不動産投資で
成功できない時代が来た

不動産投資のリスク

 不動産投資の現状をいえば、ここ数年ずっと不動産投資ブームが過熱していることは間違いありません。
 火付け役となったのは、①2015年に開始された「相続税の基礎控除額縮小」、②2016年度より日銀が導入した「マイナス金利」の大きく二つの理由からです。
 いずれも、これまで富裕層を中心に行われていた不動産投資の裾野を、普通のサラリーマンや小規模の土地所有者に広げた要因となっています。
 しかしその結果、金融庁や日銀は物件の供給過剰の懸念から「不動産市場は注視が必要」とし、実際に不動産投資への融資に慎重な姿勢を示す金融機関も出てきているのが現状です。
 たしかにアパートやマンションは全国的に供給が需要を上回っており、空室率が上昇を続けています。不動産調査会社の『タス』によれば、首都圏のアパート(木造・軽量鉄骨)の空室率は2015年春ごろまで30%前後で安定的に推移してきたものの、その後に急上昇。2016年9月に神奈川県で36.87%、東京 23区で34.74%と、2004年に調査を開始して以降、最高の空室率となりました。
自己資金がなくても借入金で投資ができて、家賃収入から安定的にローンを返済して資産形成できるのが不動産投資の魅力です。しかし、入居者がつかなければ自分で借金を返済するだけで、固定資産税やメンテナンス費用がかさみ、下手をすれば赤字に陥る結果になります。
 投資家がそのような状態になればローンの返済はままならず、金融機関にとっては貸付金の焦げ付き懸念となります。そのため日銀は金融機関への2017年の考査で、アパートローンの適切な審査や、組織的な採算性の検証が行われているかを点検する方針を示しました。それほど不動産投資は要警戒とみなされているのも事実なのです。
 このような投資環境において、安定的に収益を得ることは簡単ではありません。限られた需要の奪い合いを制するためには、これまで以上に厳しい目で優良物件を見極め、確実に手に入れなければならないのです。メディアやセミナーで語られるような「都心の区分マンション」、「首都圏の新築一棟アパート」といった特定の投資スタイルを絶対だと盲信するのは非常に危険です。特にセミナーでは、講師が税理士であろうと銀行員であろうと、提携している会社の「売りたい物件を売る」ことが目的になっているケースも少なくありません。
 手軽に不労所得を得られるという発想から脱却し、エリアや物件タイプにかかわらず確実な需要が見込める物件を見極め、融資から管理・運用まで緻密に計画を立てて投資することが重要なのです。
 たとえば、駅から遠い物件や土地の環境が悪い物件だとしても購入に踏み切ることがよくあります。その物件の過去何年にもわたる入居実績を調べ、近隣にある地元の不動産会社に工夫してヒアリングをかければ、その物件の本当のチカラを判断することはいとも簡単だからです。逆に、一見魅力的だけれども実際投資すると賃貸経営が成り立たない、といういわば地雷物件も、いくつかのポイントを押さえれば容易に見抜くことが可能です。
 また、リスクに関してもヘッジできる方法がすでに確立しており、正しい知識さえ身につければ、他の投資よりはるかに安全で、かつ収益性が高いといえるのが不動産投資なのです。

不動産投資ブームの陰で広がる〝大家間格差〞

 私が不動産投資業界に関わってから10年、〝大家間格差〞は確実に広がってきていると感じます。
 圧倒的なスピードで資産拡大を成し遂げる投資家がいる一方で、失敗する人も続出しています。大きな借金を抱えて身動きがとれなくなる人、物件を売ることもできずに自己破産の道を選ぶ人が後を絶たないのは何故なのでしょうか。

 この問題は、「不動産業者に必要十分な知識がないこと」によって生じているのではないかと考えます。
 もちろん、投資家自身の無知も大きな理由ではありますが、投資家は基本的に「不動産のプロ」である不動産業者を通じて物件を購入しています。本来であれば良きパートナーであるはずのプロの選び方を間違えて、知識がなく良い物件を提供できるパワーのないプロに任せた結果、悲劇が起こっているのではないでしょうか。
 何故なら不動産業者は、とくに不動産投資の勉強をしなくても、ある程度の売上を作ることができますし、そもそも免許がなくても仕事ができるものです。「○○がオススメですよ」とあなたに提案する物件は、業者にとっての良い物件(売りやすい物件)であって、その投資家にとって良い物件とは限らないということも大いにありえるのです。  
 だからこそ、投資家自身が「不動産投資で稼ぐための実用的な知識」を身につけて、 真贋 しんがん を見分ける必要があるのです。

もし、2000万円の現金を不動産投資に使うとしたら

 もし、あなたが2000万円の現金を不動産投資に使えるとしたら、どのように使いますか。
 たとえば2000万円で利回り10%の物件を購入したとすれば、年間家賃収入は200万円。これが2000万円の物件ではなく、2000万円を自己資金にして利回り10%の2億円の物件を買ったとすれば、家賃収入は2000万円になります。
 銀行によっては、2000万円という資産があるということで、自己資金を使わずに2億円借りられるケースがあります。この場合は、諸費用(手数料・登記費用等)だけを支払えば2億円の物件を手に入れられます。
 このように融資の力を使って物件を購入することを、「レバレッジをかける」といいます。これが不動産投資における最大の魅力でしょう。
 レバレッジの原義は「てこの原理」で、少ない力を使って大きなものを動かすことを意味します。不動産投資でいうレバレッジとは、現金を極力使わず融資を使い、収益物件を購入することをいいます。
 先ほどの2000万円の事例のように、うまくレバレッジを活用すれば、物件費用の諸費用にあたる数百万円だけで2億円のRC造マンションを手に入れることも夢ではありません。
 もちろん家賃収入のすべてが利益ではなく、ローン返済や月々のランニングコストの支出などもありますが、それらを差し引いた残りが、キャッシュフローとして投資家の利益となります。
 家賃収入というのは、部屋を貸すことで得る対価ですから、あなたがあくせく働くことはありません。部屋を快適に整えたり、故障を修理したり、入居者との対応といった賃貸に関わる業務はすべて外注することもできるので、まさに不労所得です。
 これが銀行の定期預金であれば、数百万円を預けたところで利息は微々たるものでしょう。また不動産投資以外の投資、たとえば株式投資、FX、ファンドなどでは、融資を受けてレバレッジをかけることはできません。
 このレバレッジの恩恵は、不動産投資だからこそ受けられるものです。加えてこれは、1棟だけの話ではありません。レバレッジの力を上手に取り入れて、スピーディーに規模を拡大することが可能となるのです。

目標と現状のギャップを埋める「戦略立案」が圧勝の第一歩

 不動産投資において「圧勝」するためには、数値計算に基いた具体的な目標設定が欠かせません。ただ漠然と行っても結果はついてこないもの。何故ならば、明確なゴールがないと物件選びや投資戦略にブレが生じてしまうからです。
 よくありがちなのが、当初は「年間キャッシュフロー1000万円」や「○歳までにリタイアする」ということがゴールだったものの、いつの間にか「物件を購入すること」がゴールになってしまうというケースです。
 こうなると規模拡大を盲目的に追い求めるようになり、肝心のキャッシュフローがおざなりになってしまいます。あくまで目安ですが、資産10億円で、利回り10%だとすると家賃収入が1億円程度、年間キャッシュフローが2000万〜3000万円くらいを目指すのが理想的といえるでしょう。
 収入の多い方だと、買える物件の選択肢が広いため、地方だけでなく1都3県を視野に入れて買い増しを進めていくケースが多く見られます。この場合、リスクを低く抑えたバランス型のポートフォリオを組むことになります。
 逆に、年収1000万円以下で「とにかくキャッシュフローが欲しい」という人であれば、ある程度のリスクを取って遠隔地の高利回り物件を買っていく方法が有効です。2000万〜3000万円程度の現金が貯まった段階で、東京23区内の物件を狙いにいくのが望ましいでしょう。
 思い描くゴールの難易度は人それぞれですが、決して不可能ということはありません。結局のところ、その人の属性や自己資金に応じて、取るべき戦略が決まってくるということです。

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